「IT都市・函館を目指す」(IT都市構想)
2020.03.17
船中八策
今、私は地域の若い世代の人たちと、函館をIT都市にしていく可能性を探っています。
これまでは
「函館には仕事がないから若い人たちは函館を出ていくのだ。だから函館に企業を誘致できたら函館に残るようになる」
そんな話が多かったように思います。
しかし、これは今や必ずしも正しいとは言えません。
今、函館では、医療介護分野や建設土木分野、ホテル業界でも人手が足りません。
今後、労働集約型の企業が増えてもますます人手不足に拍車がかかるだけになってしまいます。
安い人件費、安い賃料、手厚い補助金などを求めて函館に進出することを経営者が考えるならば、それが本当に働き手としてハッピーかどうかを考えなければいけません。
そこで今、私が進めようとしているのが、知識集約型産業の集積です。
デザイナーやプログラマー、企業家、アーティストなど、無から有を生み出すクリエイティブな人材を集め、イノベーション産業を創出していくのです。
このような知識集約型産業都市はイタリアのボローニャやフランスのナント、スペインのビルバオなどが代表的ですが、それらにはある特徴があります。
それはいずれも人口規模が30万人程度で、国際観光都市であるということです。
街の人口規模が札幌のように大きすぎても創造都市としての打ち出しが難しかったりするようで、経験的には30万人規模がちょうどいいのです。
またクリエイティブな人たちは魅力ある街に集まるものです。
複数の理工系高等教育機関があり、街が歴史や文化を携え、自然や食に恵まれていることが必要条件だとするならば、私は函館こそが日本の中でクリエイティブシティを目指すのにふさわしい街だと思います。
しかしこれは自治体だけでできることではありません。
国家プロジェクト的な位置づけでないと成果をあげることはできないでしょう。
函館は、本州経済に比べ低空飛行を続ける北海道経済の中でも最も経済活動の厳しい環境にある地域です。
本州の中では東北地方が大変で、その東北地方の中でも青森が厳しいと言われています。
だとすれば、青函交流を数十年続けてきた実績があるのですから、函館と青森がタッグを組んで、国を挙げてのプロジェクトとして青函交流圏を進化させていったらいいと思います。
これには大前提として、函館と青森の政治基盤が保守基盤であること、すなわち自民党の基盤であることが必要ですが、その上で、強力な国の後押しを受けて、札幌と仙台の間に一大人口滞留圏としての青函交流圏を創出していくのです。
函館道南で生まれ育った若い人たちには、函館のイノベーション企業で経験したことを土台に世界に羽ばたいてもらいたいと思いますし、すでに外に出て仕事している人たちにも、函館に戻ってそれぞれの経験を活かして新たな挑戦をしてもらえたら、これほど政治家として嬉しいことはありません。
これらの考え、今のところは「理想」でしかありませんが、この「理想」を「現実」に変えられるよう、そして函館を中心とした道南全体が発展していくよう、前田一男は持ち前の行動力と今まで培ってきた人脈をフル動員して頑張っていく所存でございます!